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2010年のナマ記録 [NAMA(舞台レビュー)]

2010まとめ

1.16 キャバレー(日生劇場)
3.22 御名残三月大歌舞伎
4.2 Waiting for Godot (Haymarket)
4.8 Enron (Noel Coward)
4.3 The habit of art (National)
4.10 The Real Thing (Old Vic)
4.12 Prima Donna (Sadler's Wells)
4.13 Rufus Wainwright (Sadler's Wells)
5.2 LFJ
5.30 フィルハーモニア管弦楽団
6.23 ロイヤルバレエ「マイヤリンク」
6.27 ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」
6.27 ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエット」
8.7 キャンディード (Bunkamura)
8.15 東京バレエ団「ベジャール・ガラ」
   ソケリッサ!「全知全能」
10.5 Rufus Wainwright
10.6 Rufus Wainwright
10.29 ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
11.8 BBL「80分間世界一周」
11.13 BBL「アリア/火の鳥/三人のソナタ」
11.27 English Concert
11.29 War Horse (NT New London)
12.1 The Deathtrap (Noel Coward)
12.2 Fabrication (The PRint Room)
12.3 Black Watch (Scottish National @ Barbican)
12.18 東京バレエ団「M」

今回は〜…すごい抜けてる自信ありです…
都さんのジュリエットと、あとロンドンで観た芝居各種が際立った昨年でしたね。ルーファス姐さんも3回+1見られてハッピーでございました。

旅行記たまりにたまってますのでそろそろ書きます…

キャバレー(日生劇場) [NAMA(舞台レビュー)]

2009.1.16 マチネ
脚本 ジョー・マステロフ
作曲 ジョン・カンダー 作曲 フレッド・エブ
修辞・訳詞・演出    小池修一郎

CAST: 藤原紀香 諸星和己 阿部力 高嶺ふぶき 戸井勝海 杜けあき 木場勝己 他

このように、発表になってから行くか行くまいか猛烈に苦悩し続けていた私ですが、「キャバレーである以上観ねばなるまい」という意味不明な義務感から&直前に格安で譲って下さった方がいらしたので行ってきました。
ちなみに私のキャバレー歴はNY2回/来日01年3回/来日04年1回/ロンドン1回/松尾1回(汚点)。

もんの凄い身構えていたことから考えると意外とよかったです。
小池演出が松尾版と違い、真っ向からこの作品に取り組んだことが勝因かと。ま、ちょっとメンデス版に似てやしないかい(舞台の空間構成とか)、とは思いましたが、独自色を出そうとして暴走するよりはいいでしょう。作品そのものの良さは受け止めることができました。
不満点はむしろやはりキャストの力不足とかそういうとこに出ましたねやっぱ。

そもそも、事前に何度ブログ検索しても「紀香きれい」とか「かーくん(←この表記そのものがもうゲッソリ。書いてるのが30代以上だと思われることがさらにゲッソリ。)ステキ」とかいう感想しか出てこなくって、「ここにはおらぬのか?!この舞台を観ているまともな観賞者は?」と若干デネソール風味にキレていたのですが…(本当に少数はいますが…)
その日の観客がまた「都民劇場?」あるいは「ニッセイのおばちゃんの福利厚生?」ってな雰囲気の年配女性団体だらけで…皆さん御存知の通りあの方々集団になると破壊力倍増ですから…私の隣の一団なんか喋る喋る…言う感想は「きれいねえ」「かわいいわねえ」お茶の間そのもの…
私にしては猛烈にやんわりと幕間にお願いするも、注意されたこと自体が生まれて初めてのようなきょとんとした視線が帰って来るのみ。「ここは歌舞伎座でもコマでもないんだよ!」と喉元まで出たが大人なので飲み込みました orz

そんな環境の中であることを考えればびっくりするくらいマトモな「キャバレー」だったとは申せましょう。

開幕前から舞台の前に地球儀が置いてあって、MCがばっとその覆いを取り払うと実はミラーボール!というう幕開けは華やかでよし。"Wilkommen"のキャバレーガールズ&ボーイズのシーンも頑張ってエロティックにしている(やっぱり決定的に腐った退廃風味は欠けるけど…)。

とにかく、この人達だけでも観に来て良かった!と思えたのが杜&木場、そして高嶺&戸井の脇役陣。すばらしかったです。
木場さんのシュルツ、私はダンディな感じで来るのかなと思っていたけど、意外にもずうっと柔らかいやさしい喋り方で「超・善人」な感じ。この善良さがひいては無知となり、破滅に繋がるという予感まで見事に表現されていた。こんな人となら私も結婚したいし、またこういう事態になったらやっぱり離れてしまうかもしれないという説得力、スゲエ。杜さんはもっとメイク老けさせてもいいけど、歌唱がやはり素晴らしい。格が違うわ(誰と、かは察して…)。シュナイダー夫人という人の弱さと強さがひしひしと感じられる。
それに対するコストの高嶺さん、やはりコストは低音で、という期待に応えてくれた。歌が少なくて本当に本当に残念。そしてエルンストの戸井さん、ワタシ失礼ながらこれまで知らなかったのですけどいいですね。やっぱエルンストはハンサムだととても効果的でいい。高音は出てなかったけど腕章見せも良かったですよ♪

で。

藤原紀香嬢、きれい。スタイルいい。歌も意外と頑張っている。それは何一つ否定しない。
しかし、決定的にこの人は「健康的セクシー」で、「ベルリンのアンダーグラウンド」には向かない。…少なくとも「スター藤原紀香」をかなぐり捨てる覚悟と演技力がないと無理だよね。で、それは出来ていないよね。
例えば肝心要の「キャバレー」、かなり歌い上げていたけど、この場面のサリーの精神状態とか覚悟とか、伝わってはきませんでした。むしろ「恋より仕事を取った」的なスイーツ(笑)な感想がちまたに散見されるのも、彼女の表現力の不足だと思うよ(いや、もちろん見る方の理解力もあるが…)
そもそも、他の人もだけどやっぱり「頑張ってる」が舞台上で分かるようではいかんのですよね。

諸星和己…いくらメイクや仕草をジョエル・グレイやアラン・カミングになぞらえても、MCの持つ退廃と毒、風刺は彼には荷が重かったようだ。かっるー。台詞回しもわっるー。例の内輪受けにしても、もう「元アイドル諸星」本人を売る行為であって全くもって『芝居』じゃないしね。まあ、「紀香やかぁくんを見ることが目的」だった皆さんは楽しんでいたようですが。

阿部力。意外と歌えるんだ、とは思いましたがわざわざクリフのナンバーを残すほどかどうか…台詞が大体ダメだし。噛み過ぎつっかえ過ぎ。クリフは地味で大人しい役だけど、ベルリンのアンダーワールドに惹かれるだけのボヘミアンではあるわけでその辺が全然ないよね。冴えない受験生みたい…
あーあとこれは演出のせいだけどさ、クリフとボビー(今回はヴィクターだったけど)のチューはちゃんと能動的にやるべきでしょ。クリフはそこを解放しにベルリンという街に来てるんだからさ。そこで抵抗するから、「で、結局この人はどっちなの?」ってところがめちゃくちゃ曖昧に(多分、紀香との恋を強調するためかと思うが…)。

訳詞はいい所もあり悪い所もあり。笑い所がほぼ完璧に滑っていたのは訳のせいでもあり役者のせいでもあると思うが「航空母艦」は完璧なアナクロニズムだよう。歌詞もうまくないとこ色々あったけど、"Tomorrow belongs to me"=「明日を我が手に」はダントツで良かったです。「これだよ」という訳だ(→松尾版)。

改めて思ったことがひとつあるんだけど、
キャバレーは絶望させられてなんぼだ
って思うの。怪しく華々しく始まって一幕終わりで突き落とされ、最後にもっかい突き落とされる。どよーんとした気持ちのまま帰る。これが大きければ大きいほど実は快感なのではないかと。なんかヤバイこと言ってるけど、実際メンデス版の落とし方ったら他のプロダクションの追随を許さないんだよね。一幕の"Tomorrow..."も、今回や他のどこかでもやっていたようにヒトラーの演説を被せたりして「説明」することなくブチっと終わり、幕切れもオリジナルにある各キャラクターのリプライズなしに
あのMCの姿でブチっと終わる。観客は闇の中に放り出される。そこがいい。
今回みたいに、盛大なカーテンコールで無理に盛り上げられちゃうと寧ろやだなあ。いや、そんな人少数派なのは分かっていますが(来日公演の時も暗すぎるって文句は結構あったので)…いいじゃん、全員が嫌な気分で帰る「ブロードウェイ・ミュージカル」がひとつあってもねえ。
メンデス演出は本当に「必要最低限」で無駄な補足説明がないところが却って怖いんだ(鈎十字をエルンストの腕章までいっさい見せないところとか)。もちろん、この問題に鈍感な日本人にはどんどんその辺を出していかないと伝わらなかったりするというのもあるので、その辺は今回の演出はそこそこの説明をビジュアルで加えてうまくやっていたと思う。オリジナル通りにユーゲントが歌う初回の"Tomorrow..."は図らずも鳥肌が立つほど効果的でよかったし。(とにかく"Tomorrow belongs to me"が恐ろしくて大好きなの)

ってことで、主要キャスト3人を替えて再演してくれたら観に行くと思うな(←ないな…)。


<以下ネタバレ>
ラストシーンもネットで色々言われていたので「いったい何を付け足したんだ?」と戦々恐々だったけど「あ〜、ありじゃん?」って思った。
要は、最後にキャストのナンバーが繰り返される中クリフがいつの間にか軍服(いまいちそう見えないんだけど)を着せられていて、背後に空爆や収容所の映像が流れる中で連合軍兵士としてベルリンに戻ってきて、そこで過去の亡霊(たぶん)に囲まれながら戦死するという黙劇をいれたのだ。
クリフ・ブラッドショーはフィクションの人物なので、故郷=アメリカに帰ったのであれば有り得ない展開ではないし(ちょっと年が合わんが)、「カメラ」として傍観者であったクリフさえも戦争という流れの中では巻き込まれ当事者になってしまうというのは、なかなか鋭いと思う。

2009年のナマ記録 [NAMA(舞台レビュー)]

もう行かないと思うので早めに。
なんか絶対少ないな〜。ユートピアとH6はx3だとしても。もう一回くらい歌舞伎に行った気がする…
今年は結構国内の芝居を観た気がします。

2009
1.24 リチャード三世@赤坂ACT 
2.8 ベジャール・ガラ(東京バレエ団)
2.11 ベジャール・ガラ(東京バレエ団)
2.17 Philharmonia@RFH
2.18 The Tempest (RSC)
2.19 Philharmonia@St David's Hall, Cardiff
2.20 Plague Over England (Duchess)
2.21 Philharmonia@RFH
2.22 Twelfth Night (Donmar at West End)
3.15 ストーン夫人のローマの春(パルコ劇場)
5.3 LFJ 6公演
5.4 LFJ 3公演 
5.5 ムツェンスク郡のマクベス夫人(新国立劇場)
5.17 ポッペアの戴冠(新国立劇場)
5.23 ミュージカル シラノ(日生劇場)
6.7 六月大歌舞伎「蝶の道行」「女殺油地獄」
7.3 ヴェニスの商人(プロペラ)
7.5 夏の夜の夢(プロペラ)
7.11 ヴェニスの商人(プロペラ)
8.9 世界バレエフェスティバル Aプロ
8.16 世界バレエフェスティバル オマージュ・ア・ベジャール 
8.28 サイトウキネンフェスティバル「戦争レクイエム」
9.8 ドン・カルロ(スカラ座@東京文化会館)
9.13 兵士の物語
9.26 コースト・オブ・ユートピア 三部作
9.29 都響定期@サントリー
10.25 ソケリッサ!@井の頭公園
11.5 ルーヴル宮音楽隊
11.10 Tuandot (MET)
11.11 A Steady Rain (Shonefeld Theater)
11.11 Berliner Philharmoniker (Carnegie Hall)
11.12 Hamlet (Donmar at Broadhurst Theater)
11.13 Billy Elliot (Imperial)
11.21 ヘンリー六世 三部作(新国立劇場)
12.6 リナルド(BCJ)
12.20 ANJIN イングリッシュ・サムライ (銀河劇場)

今年のベストは…
音楽:フィルハーモニア&ドゥダメル
演劇:RSC「テンペスト」(次点:プロペラ「ヴェニスの商人」)
オペラ:「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
ですかね。

映画は、「アラビアのロレンス」「意志の勝利」「フランケンシュタインの花嫁」…全部古いがな。
新作では、「スラムドッグ・ミリオネア」かな。

新人H「ソケリッサ!!!」路上ダンス 母の時間 [NAMA(舞台レビュー)]

2009.10.25. (井の頭公園内の森)
演出・振付:アオキ
出演者:富永 長嶋 佐々木 横内 越澤/アオキ
照明デザイン:小笠原 洋(スペースラボ)
制作:AOKIKAKU(瀬戸カオリ 中西晶大)&ビッグイシュー基金(池田真理子)
協力:西部公園緑地事務所

下手すると今月のライブものはこれだけになりそうな勢いなので今のうちに書いておこう。
ビッグイシュー基金によるサークル活動の一環、ダンスチーム「ソケリッサ!」の野外公演に行って来ました。
プロダンサーのアオキさんが作り、指導し、出演もしているこのチームですが、今日の出演者のうち4人はビッグイシューの販売者さん。佐々木さんは野武士ジャパンのメンバーでもあります。

で、会場が「森」…結構着込んできたつもりがまだまだ寒かった今日、まずはすでに暗くなって来た井の頭公園で迷いかけ(逆に行ってた…あの公園、結構色んなことをやってる人がいるもんだから…)、着いたらまだ始まっていなくてホッ。そしてこの天気にも関わらずかなりの人が集まっていた。
虫の声が響き、噴水の音が背後から聞こえ、通行人が時折うっかり通っちゃう木々の間の「舞台」。
照明が照らしているだけで何とも言えない効果を醸し出します。
6人のダンサーが手にろうそくのランタンを持って登場し、時にソロで、時にペアで踊る。音楽はほとんどなく、ソロのクラリネット(?よく見えず…)のみ。

まず、この浮世離れしたセッティングで、眼鏡のおじさんたちが踊っているさまのシュールさに痺れる(いや、中には私より若い人もいるんだが)。

sokerissa.jpg
当然のことながら全然マトモな写真は撮れずソッコー諦めたので雰囲気だけ感じてください。

作品は林という空間を活かしていて、大地(もちろん下は落ち葉の絨毯)に根付いたような重心が低く緩やかな踊り。何人かは裸足で、動物めいた動きも多くて「森」に同化している。まあ、もちろん、全体を締めるアオキさんの踊りがすばらしく効いていて、どうしてもおじさんたちの動きはそれに比べると鈍いけれど(そしてイマイチ吹っ切れ切れていない人も散見するけれど)、普段彼らがどういう暮らしをしていて、どういう身体の状態にあるのかということを考えるとやっぱり凄いと思うし、色々なかたちで何かを「突破」しようとしているエネルギーを感じる。
踊りとは別に、途中で台詞を喋った越澤さんの見事な発声とディクションにびっくりしたのだが、終演後に少しお話しさせてもらったら、やはり昔芝居をやっていたことがあるそうです。いい声してらっしゃる。これを活かす道は何かないものかなぁ。
1時間ほどの公演が終わってすっかり冷えきったところに、スタッフの方&踊っていない販売者さんたちがコーヒーを振る舞ってくださった。あったかくて泣けるわ。
公演は無料だったのですが、終演後にボランティアの方が「おじさんたちの夕食に」と言ってカンパを集めてました。小銭が全然なかったので、差し入れ買う暇もなかったし1000円札いっちゃうか、とか思っていたら、集まった若い人達がどしどしお札を投入していたのでこれまたびっくりして泣けて来たですよ。

そうだよね。このクソ寒いのに、この「ダンサー」たちには帰る家がないのだ。
夕食くらい思いっきり食べてもらおうじゃん。

その後出て来た佐々木さんに「テレビ見ましたよ〜」と言ったら、販売中に若い女の子とかに結構声をかけられたとご満悦だった(笑)。ぼちぼち就職活動も始めているそうで、何よりです。



ほんと、もっとがんばれ。自分。って思いました。

世界バレエフェスティバル Aプロ [NAMA(舞台レビュー)]

2009.8.1 東京文化会館

プログラムは長いので割愛…

実を言うとフェスに来るのはもうやめよう、と思っていた。いい加減同じ演目ばかりのガラ公演で値段も高くて、ちょっと飽きがきた。と思いつつまた来てしまったのは、ジル・ロマンがモンテカルロのコピエルテスとマイヨーを踊るから。それだけ。

で、やっぱり、会場の盛り上がりとの温度差を感じながらのローテンション観賞になっちゃった。

<第一部>
低調。評判の高いシムキンは確かによかったけれど、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥは前々回のコジョカル&コレーラが神棚なので、ふんふんという感じ。
ロイヤルバレエのペアによる「海賊」は、改めて『この人たちは踊りもうまくてルックスもきれいなのに、なんてオーラがないんだろう」という、現在のロイヤルの「スターが少ない」という問題を改めて感じさせてしまった…かなしい…
タマラ・ロホのコンテンポラリー作品"Ella es Agua"は良かった。冒頭の水の表現が、彼女の曲線的体型と照明の効果で本当に水のようで美しい(上から見て正解)。

<第二部>
期待していなかったのに結構よかったのが上野水香の「ジゼル」。あっほんらいジゼル2幕ってこんな感じに不気味なんだよねって思った。手足の長さがより人間味の希薄さを際立たせていて。この場面のあとどう踊るかを見ないと評価は下せないけど、こんな感じなら一度全幕見てみてもいいかもって思ってしまった。
ギエム&ニコラのマリファント作品はちょっといまいちだったかなあ。もっと空間的にも踊り的にも展開して欲しい欲求不満。TWOとかのほうが断然好き。
で、えーこの二人で「ライモンダ」?とがっかりしていたシュトゥットガルトのアイシュヴァルト&バランキエヴィッチ。出て来た瞬間にこの日ここまででMAXの↑
そう、「シュトゥットガルトの衣装萌え〜
白地に鮮やかな深紅と金糸の刺繍、なんてセンスよく美しいのでしょう〜ことにアイシュヴァルトには激に合っている。踊りも、ちょっとバランス崩したところがあったけれどもやはり巧い!
あとは、いつも安心して見られるホセ・カレーニョの「ディアナとアクテイオン」も良かったです。同じラテン系でもソアレスに何が足りないかよく分かるわ。あの衣装でギャグにならないのはカレーニョくらいだ。

<第三部>
デュポン&ルグリの「椿姫」もう本当にこの二人は円熟の境地で素晴らしいんだけど、どこをどうしてももうルグリがアルマンには見えないのが困ったものだ。
さて、今回一点買いと言ってもいい「フォーヴ」ですが、期待していた「ジルの新しい面」は見えたような見えないような。官能的なジルというのは確かにあまり見ないのだけど、所々に「あっいつもの」って感じの部分が見えて、それはマイヨーの意図なのかそれとももうにじみ出てくる本人ゆえのものなのか分からない。
コピエルテスは本当に中性的なのになんであんなにいつも色っぽいのだろう。すばらしい。この人はもっと見たいなあと思わせる。作品は、「牧神」なのだけれどももっと何か濃密で閉ざされた感じ。男女はふれあっているようでふれあっていなくて、やはり欲望は自己完結しているようにも思えて。なかなか堪能。

なんでその後はもう燃え尽きてしまったというか。黒鳥もドンキも飽きたし、何よりもやはり改めて私は衣装がダサいのは許せません。ロシア好きの方には本当に申し訳ないけれど、どんなに踊りが巧くても舞台だから舞台としてのプレゼンテーションが良くないものは私はダメだ。踊りとしても、これも前に見たステパネンコとかロホのほうが単純にすごい、ってものがあったと思うし…(←完全に懐古の年寄り)
期待していたフォーゲル&ポリーナのマノンも、なんだか何か足りなく感じた。踊りにマクミランらしさが薄いっていうか、あとはまり役と思ったフォーゲルにイマイチ不幸の影が感じられなくて残念。難しい。

というわけでかなり低調に終わった今年でした。今回はBプロもガラも行かないので(ガラはBBLの二人だけは見たかったんだけど、チケット手に入らないし)、あとはベジャール追悼プロだけですが、これもなんかもう見た演目ばかりでイマイチテンションあがらないのです…とほ。

プロペラ、その6:「ヴェニスの商人」 [NAMA(舞台レビュー)]

で、ヴェニスの商人である。

舞台は要は「夏の夜」のセットから布をとっぱらった鉄骨組。ぱっと見ありがちな感じだ。近くの席の人が「あれって牢屋?」と言っていたのでふと観れば確かに下の方にはいくつか独房っぽいものが。それはそれでふーん〜と思っていたのだが…
まず、突然リズミカルな金属音が鳴りだす。何かと思えば、キャストがそれぞれスプーンで鉄格子を叩いているのだ。全員、お揃いの紺の上着姿。

…って、これホントに刑務所なんじゃん!!(驚)

驚く間もなく、どわーっと人が集まって来て、中央にひとり、スーツ姿の所長?が立って言う
「どちらがクリスチャンでどちらがユダヤか?」
これは元々裁判シーンのポーシャの台詞。大抵の上演では「見るからに」ユダヤ人なシャイロックがいるのでこの台詞は笑いを誘うことが多いのだが、ここでは確かに見分けなどつかないじゃないか!
エドワード・ホールがあとのトークで語ったところでは、そもそもこの刑務所というセッティングは「シャイロックの見た目に拘る必要なく物語を語れる状況」を探すところから始まっているのだという。「シャイロックのユダヤ性というテーマに芝居そのものが乗っ取られてしまっている」とも。

人種差別やホロコーストのリファレンスにとらわれがちなこの芝居だが、この設定下に置くことによってクリスチャンvsユダヤの対立は、ギャング組織の派閥対立レベルにまで矮小化され(ちなみにクリスチャンたちは十字架をさげたりタトゥを入れたりしている)、人種/宗教よりももっと本質的な人間の愛憎のドラマが露呈される仕掛けだ。うまい、うますぎる。

シャイロックを演じるRichard Clothierはオベロンも兼任だけあって背も高くとても押し出しのいい堂々とした姿で貫禄ありあり。卑屈な金貸しというよりはやはりギャングのボス。ただ、明らかに抑圧はされているのであり、その鬱屈した憎悪が、娘の出奔と金の喪失を経て閉ざされた空間のなかで増幅されて、あの「ユダヤ人には目がないのか?」で爆発するさまは実に壮絶である。(この場面でなんとシャイロックはサレーリオの目をえぐり出す!のであるが、これはあとの「人肉1ポンド」の重みを削いでしまったような気もする)
これほどの憎悪のぶつかり合いがあって初めてこの突拍子もない復讐劇が腑に落ちて来ることに気づかされた。

さらに、この設定によってジェンダーの構造もひと捻り(プロペラのジェンダー構造はすでにひとつ捻ってあるから、ふた捻りなのである)される。すなわち、刑務所内であるならば『女』は存在しないからである。
つまり男優が演じる女、という元々の前提をもう一度ひっくり返してみせるのだ。
私が「先に夏の夜を観た方がいい」と思った理由のひとつがこれ。

ポーシャが初登場する場面では周りの囚人たちが鉄格子を叩いて「ポーシャ、ポーシャ」とはやし立て、ハイヒールにストール姿、赤いルージュの「彼女」が現れるが、つまりこの「ポーシャ」は「刑務所内のお姫さま」なのである!これにもやられた、って思った。彼女と「結婚」する権利を巡り金(たぶん、看守に渡す賄賂)やり取りされ(よってバッサーニオには金が必要)、資格を得たものが続々とゲームに挑戦するのだ。
何て生々しく残酷な「婿選び」か!
しかし、くじ的な偶然で婿を決めるという現実離れしたイベントもこの極限状態下では分かりやすい。ポーシャのBrookfieldはちょっとティエリ・アンリに似たハンサムなのだが、常にまっすぐ立っていて、どこか悲壮さをも感じさせうまい。ちなみにネリッサはごっつい体に直接コルセットを無理矢理巻いたおっさん(夏の夜ではイージアスなんだから!)であるが、これまた見事なドラァグぶりである。
しかし、これがじゃあゲイかっていうとその辺はもうどうでも良くなってくる。何にせよそこにいるのは若い女性2名だという受け止め方が、ふたひねりされたあとに見る方も出来るようになってくるように思える。
余談だがこの2人が「男装」する場面は、男の服を着慣れていないぎこちなさが猛烈にリアルに表現されていてそれはそれで感銘を受けた(笑)。
そんな中であるから、アントーニオとバッサーニオの関係も大変生々しい。単純に無邪気な若者と叶わぬ愛に苦悩する中年という図式ではなくて、もっとギリギリの緊張した駆け引きが二人の間にあってとてもスリリング。よってポーシャとの三角関係も最後まではっきりと尾を引いていた。

このように憎悪やら肉欲やら物欲やら愛情やらの様々な激しい感情がぶつかり合う中、ふだんは不要なオマケ的にしか観ていなかったジェシカ(パック役のJohn Trenchardが実にかわいらしい)とロレンソの愛が実にほっとするというか、救いのある純愛として描かれていたのがまた、改めてこの脇筋の意味を際立たせて目から鱗であった。このジェシカの「シャイロックの娘」という部分だけが残念ながらこの設定でイマイチはまらないのだが、娘的存在と緩く考えてもいいかなと思う(アメリカの評では「娘が男装して刑務所に潜り込んだ」とか読んでいたけど、何もそこまで…実にアメリカ的発想だなあ)。
星空のもとでの" In such a night as this"の詩的なやり取りがすごくよく見えたというのは本当に生まれて初めてだ。

最終的にはやはり後味の悪〜い幕切れを迎えるのだけど、最後の締めにもう一度所長は問う。
"Which is the Christian and which the Jew?"
改めてこのドラマが普遍化される、実に心憎い構成である。

確かに「普通のヴェニスの商人」を観ていないとなかなか通じない演出であり、それ自体には賛否はあると思う。しかしおもしろいのだからいいじゃないか、と私は思う。むしろこの芝居をレイシズムから見事に解放して見せたというその事実のほうがずっと重大じゃないか?

最後に土曜にもう一度これを観るのだけど、改めてじっくり観るのが本当に楽しみ。

プロペラ、その5:「夏の夜の夢」 [NAMA(舞台レビュー)]

2009.7.3 「ヴェニスの商人」
2009.7.5 「夏の夜の夢」
東京芸術劇場 中劇場
演出:Edward Hall  デザイン:Michael Pavelka
照明デザイン:Ben Ormerod 衣装:Hannah Lobelson

キャスト (まとめて)
アントーニオ/ボトム:Bob Barett
ポーシャ/スナウト:Kelsey Brookfield
公爵/ヘレナ:Babou Ceesay
シャイロック/オーベロン:Richard Clothier
ロレンゾー/タイターニア:Richard Dempsey
ランスロット/フルート:John Dougall
グラシアーノ/ハーミア&スナッグ:Richard Frame
モロッコ大公/ヒポリタ:Jonathan Livingstone
ネリッサ/クインス&イージアス:Chris Myles
ムシュー・ル・ボン/蛾の羽根:David Newman
テューバル&アラゴン大公/シーシアス:Thomas Padden
サレーリオ/ディミトリアス:Sam Swainsbury
バッサーニオ/ライサンダー:Jack Tarlton
ジェシカ/パック&スターヴリング:John Trenchard

長々しいですが、「この素晴らしいキャストは繰り返しに値する」ので全員載せました。

2本観て、「こりゃ野田さんがトークで言ってた通り『夏』から観た方がよかったな」と思ったのでその順で。

<夏の夜の夢>
プロペラというカンパニーを知った時にイメージしていた大体そのままの舞台だった。私がホールの「ヘンリー5世」を大好きなことは何回か触れたが、あのときに観られたアンサンブルの変幻自在ぶり(今回、妖精王夫婦以外は白のブラウス+コルセット+ステテコ?というベースの衣装で「妖精たち」を演じ、そこにおのおのの役柄の「上着」を被ることで人間を演じる)やとにかく躍動感のあるフィジカルかつスピーディな舞台、それがよりコンパクトに凝縮されている。
基本構造は二作共通の金属の骨組み舞台(グローブ座的バルコニー型)に、一面切り絵のような模様の切り込みが入った白い布が掛けられている。セットはそれだけ。が、シフォンの布や鏡を貼った箱などの小物の使用でヴァリエーションを作り、めまぐるしく入れ替わる場面に対応しつつ夏の夜の森の空気を作り出している。
また音楽はカンパニーのコーラスを中心に、首からさげたハーモニカやパーカッション、鉄琴などを交替で使って、これまた絶妙なライティングと相まってシンプルなのに実に効果的な魔法の表現に一役買っていた。

とにかく、効率がめちゃくちゃいいのだ。
とにかくどいつもこいつも良く動くし、舞台を三次元的に活用するので飽きない。動きや台詞の間合いも非常に新鮮な表現が多くて、職人たちの芝居でこんなに笑ったのも久しぶりだ。ヴァースの語りとしてはかなりくだけているとは思うが、決してリズムがないわけではなくむしろちょっと音楽のジャンルが変わったというかんじの印象。うーん実にいい。

さて、注目ポイントのひとつである男優演じる女役だが、これがまあ予想通りきれいにする気ゼロ!
むしろ、恋人たちやシーシアスが細身なのに比べて女役は明らかにわざとガチムチな感じである。上述の基本衣装にスカートや襟/袖などを付けるだけでメイクも鬘も無し、あくまで役柄の外見は上着という記号にすぎないというわけで、これは男役も女役も共通したテーマといえる。
殊にヘレナを演じたBabou Ceesayは、ついに久本雅美が10年以上キープしていた私の中の「史上最強ヘレナ」の座を奪ったね。このヘレナにビンタされるライサンダーは本当に吹っ飛びそうだったよ。

でもね、かわいいんです

声も地声だし、女っぽく作っているのは仕草程度、なのだが、それでじゅうぶんかわいく思えてしまうのだ。
マーク・ライランスのクレオパトラ(アレは一応化粧とか衣装はきちんとしていたが)も最終的に美女に思えて来て衝撃を覚えたけど、芝居の本質というのは外見ではないのだということを改めて思い知らされるのだった。で、それでいて、男がやることによって、この、うぉーって感じの芝居全体のエネルギーやパワー、リズムを均質に保つことができるんだよね。All Maleってどちらかというと「倒錯的な美しさ」だったり「如何に化けるか」だったりすることが多いイメージだけど、逆手に取ってにこういう効果を作るというのはなかなか新しい発見だったなあ。

実に楽しい「夏の夜」であった。前にも書いたように「ヴェニス」はどちらかというと作品を知っている人向けな感じなので、もしご興味のある方がいれば、まずこちらがお勧め。12日まで。

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photo by Nobby Clarke

後列左のおにいさんがヘレナちゃんです(はぁと)

新国立劇場「ポッペアの戴冠」 [NAMA(舞台レビュー)]

2009.5.17 新国立劇場 中劇場

【指揮・監修】鈴木雅明
【演 出】鈴木優人・田村吾郎
【映 像】大西景太
【衣 裳】有田一成
【ポッペア】森 麻季
【ネローネ】レイチェル・ニコルズ
【オットーネ】ダミアン・ギヨン
【オッターヴィア】波多野睦美
【ドゥルシッラ】松井亜希
【乳母】山下牧子
【アルナルタ】上杉清仁
【セネカ】佐藤泰弘

【管弦楽】バッハ・コレギウム・ジャパン

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心の傷を癒しに観て参りました。「コンサート」とあるのに演出/衣装ってことはセミステージなのかな?と思ったらオケがピットに入っていて「?」
幕が開くと、愛/徳/運命の3女神が高い位置に立っていて、セットはほぼなし、身振り手振り以外は動かずに歌います。ということで、衣装と照明はあるけれど、基本は演技は付けず音楽に重点を置く「コンサート形式」ってことらしい。真っ暗な背景に字幕が映し出されるという仕掛けなのですが、この字幕が面白くて、モンテヴェルディの作品のテキストとの深い関わり(「言語の音楽化」とは鈴木氏談)を示すため、Flashを使用して平面的、視覚的に字幕を見せるという試みがされています。色っぽい台詞はぼや~んとフェードインで出て来たり、ビシッと言うところは大きくガンと出て来たり、キャラクターによってフォントも変えてみたり。繰り返しも全部出て来るので多少うざいところもありますが、これは非常に面白い試みだと思いました。
よく見るとチラシにもテキストがちりばめられていて、統一されたコンセプトを感じます。確かにこの形だとこちらも原詞を聞き取ろうと努力することも出来ます。

しかしその字幕を表示するためか終始舞台は暗く、人物にスポットが当たるのみ。この状態でモンテヴェルディの音楽でしかも人物が直立なので、正直睡魔に襲われること数度。視覚的には美しかったのですが、せっかくの衣装も細部が見えないし、何よりやはり、言葉に拘るのならなおさらのこと舞台で「ドラマ」が観たかったかもなあと思うわたしなのでした。
まあ、この前に観た「ポッペア」の上演がポップで猥雑なハンブルクの舞台だったのが余計かも。

BCJの演奏は相変わらずハイレベル、なんだが、やっぱりこの愛欲ドロドロの作品にしては色気が足りないかも。この演出には合っていたけどね。2台のチェンバロが重層的にレチタティーヴォを彩って典雅なかんじでした。ちなみにチェンバロの鈴木さんは演出も兼任の大活躍。
歌手陣は粒ぞろい。ことにオットーネのギヨン、オッターヴィアの波多野さん、ドゥルシッラの松井さんが光っていた。ポッペアの森麻季さんも初めはちょっと声が弱めかなと思ったけど後から良くなってきた。ドレープたっぷりの赤いローマ風ドレスが妖艶。アルナルタの上杉さんはちょっとふてぶてしい乳母には声が弱すぎるかなあ。ネローネのニコルズは歌唱はすばらしかったのだけど、見た目暴君には見えないのが残念。
まあ、毎回毎回胸毛なネローネってのは無理な相談ですけどもさ。

非常に完成度の高い上演で、後から慌てて買った甲斐があったと思っています。
今回は若杉芸監の希望で上演が実現したそうなのですが、本当にバロックオペラでは大きく遅れを取っている日本だけに、こういう試みは続けて欲しいですね。
カメラが入っていたようですが、資料室映像だけなのかなぁ。


いのうえmeetsシェイクスピア「リチャード三世」 [NAMA(舞台レビュー)]

2009.1.24 赤坂ACTシアター
翻訳 三神 勲 演出 いのうえひでのり
出演 古田新太 安田成美 榎木孝明 大森博史 三田和代 銀粉蝶 久世星佳
天宮 良 山本 亨 増沢 望 西川忠志 川久保拓司 森本亮治 久保酎吉 若松武史

いまさらですが。
何度も言っていますが翻訳シェイクスピアに若干の苦手意識を残す私、どうも大阪公演などの評判もイマイチなので相当覚悟して行ったのですが、かつて観たN川リチャードの辛さに比べれば全然楽しめたというのが正直な感想。
ただ、で、結局何が表現したかったの??」っていう根本の部分が見えてこない演出だったことも確か。

まず、冒頭でまたまたまた解説か…とコケた。
「レッドクリフ」「チェ」に続いてこの2ヶ月で3度目!日本人はここまで面倒観てもらわないと娯楽も楽しめないほどおばかさんになったのでしょうか?まあ、その中ではこの作品は確かに背景説明は必要だし系図も必須なのだけど、わざわざ入場時に解説シート配っているのだからそれでもういいじゃん?映像と語りで説明しなくてもいいじゃん?ああいきなり拍子抜け。
リチャード三世観に来てるのに"Now is the winter of our discontent"で始まらない気持ち悪さが分かりますかぁーいのうえさん!?(涙)

さて置き、どうやら「独白」はPCへの書き込みとしたらしいこの演出、まずリチャードは音声認識マイクに独り言を語り、台詞は背後のモニターに打ち込まれて行く。これはなかなか面白いのだが、マーガレットがなぜか腕に小型PCみたいなものをつけて喋りながらタイプするのは動き的に無理があったような…
で、60'sUKロックを意識したっぽい派手な衣装&カツラ(なぜかボロボロになっている理由は分からない)はキャラクターの個別認識にはとても役立つ。あの巨大リーゼントの人がバッキンガムとか、テクノカット眼鏡がケイツビーとか、なんとなくキャラに合った感じにもなってるし。しかしPCとかワイドショーとか携帯とかのガジェットが現代なので不思議にアナクロではある。
個人的に一番受けたのは携帯の使い方で、ヘイスティングスを見切ったケイツビーがアドレス帳からヘイスティングスを「削除」しちゃうのが、現代の人間関係の酷薄さを映すかのようで面白かった。あと、「馬をくれ!」が電話(戦闘用のやつ)だったのも面白かったですね。
それ以外の細かいところはしかし、どっかで観たような…って感も否めず。
演説をテレビ中継にするのはハイトナーが「ヘンリー五世」でやってたし(まあ、ありがちなことではあるけど)、アンを口説く葬列の場面が死体置き場っていうのはマッケランの映画でやったものだ。

結局この演出の狙い所は何なのか、っていうのが見えてこなかったので小ネタばかりが目につくんだよねえ。惜しい、という気はします。

役者で行くと女性陣が非常によかった。ことにN川リチャードを観たときアンを演じて私の心のよりどころだった久世さんのエリザベス、安心して観ていられた。三田和代、銀粉蝶の二人も台詞/演技ともに秀逸。
男性は、滑舌がなってないタイトルロールを筆頭にちょっとなあって感じが目立った。台詞回しが気にならなかったのは山本/榎木くらいか。特に若松武史は私ほんとうに苦手。良くシェイクスピアに出るけど、良さが分からない…今回出番が短くてほっとした。ちょっと名前が分からないのですが暗殺者/ティレルを演じた人がうまかったな。
古田リチャードは役作りのコンセプトが(演出同様)不明確なかんじ。インターネット掲示板にひたすら書き込んじゃう殺人犯をイメージしているのか、それとももう少し軽い感じなのか(王位を受ける場面は彼の持ち味が出て良かったのでこの路線で行けば良かったのにと思う)。本当に正直そうに見えているのかどうなのか、等々。

なので、そこそこ観てる間は楽しんだけれど何か残るかってーと残らない、ちょっと惜しい舞台だった。

2008年のナマ記録 [NAMA(舞台レビュー)]

ちょっと数えてみたら47公演でした。
多いような少ないような…手帳に書いたものなので、ぜったい何か(国内オケとか歌舞伎とか)取りこぼしていると思うのですが…

1.6 BRB 美女と野獣
1.17 BRB コッペリア
1.20 Rufus Wainwright (ナゴヤ) 
1.21 Rufus Wainwright (大阪)
1.23 Rufus Wainwright (東京)  
2.21 ROH「サロメ」
2.21 History Boys (Wyndham's、ロンドン)
2.22 The Magic Flute (Duke of York's ロンドン)
2.23 BRB Swan Lake
3.2 Orchestra of the Age of Enlightenment「マタイ受難曲」
3.9 サントリーホールオペラ「フィガロの結婚」
3.22 三月大歌舞伎(歌舞伎座)
3.23 新国立劇場「アイーダ」
4.19 Bunkamura「アイーダ」
5.3-5.5 LFJ 6公演
5.5 新国立劇場「軍人たち」
5.10 團菊祭歌舞伎
5.11 東京バレエ団「モーリス・ベジャール追悼特別公演」
6.8 ベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)「ガラ」
6.11 ベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)「ガラ」
6.12 ベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)「ガラ」
6.14 ベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)「バレエ・フォー・ライフ」
6.15 ベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)「バレエ・フォー・ライフ」 
6.26 ROH「ドン・カルロ」
6.27 グローブ座「リア王」
6.27 ROH「フィガロの結婚」
6.28 NT "Afterlife"
7.13 国立劇場「義経千本桜」
9.20 九月大歌舞伎(秀山祭)
9.21 バボラークと仲間たち
10.4 国立劇場「大老」
10.4 リンゼイ・ケンプ「エリザベス1世」
10.9 マーク・パドモア
10.25 十月大歌舞伎
11.8 フィリップ・ジャルスキー
11.9 東京バレエ団「ベジャールのくるみ割り人形」
11.13 イアン・ボストリッジ
11.23 シュトゥットガルト・バレエ「眠れる森の美女」
11.24 イアン・ボストリッジ
11.26 ベルリン・フィル
11.30 シュトゥットガルト・バレエ「オネーギン」
12.2 LSO withゲルギエフ
12.7 バッハ・コレギウム・ジャパン「ユダス・マカベウス」
12.14 東京バレエ団「ザ・カブキ」
12.17 シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ
12.18 シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ
12.23 ソウル・オペラ「魔笛」

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